平成10年第4回船橋市議会定例会会議録(第2号・7)
 

 平成10年第4回船橋市議会定例会会議録(第2号・7)

 

議長(瀬山孝一君) ここで市長から、医療行為に関する損害賠償請求事件の判決に関し、行政報告があります。

 市長。

[市長藤代孝七君登壇]

市長(藤代孝七君) 平成3年12月4日千葉地方裁判所に提訴されておりました船橋市立医療センターの医療行為に関する損害賠償請求事件について、平成10年11月30日に判決がありましたので、その概要を報告いたします。

 本事件は、平成2年10月30日に習志野市在住の患者が胆石症で入院し、治療を受けましたが、その後の措置で肝動脈を損傷したため出血し、止血措置の効果が上がらず、平成2年12月30日肝不全により死亡いたしました。

 このため、患者の妻が肝動脈出血の発見や止血措置等に過失があったとして、船橋市に対し、6960万円及びこれに対する死亡時から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払えという損害賠償請求の事案であります。

 判決は、肝動脈損傷による出血のおそれに対する配慮が足りなかったなどとして、原告の主張を一部認め、船橋市に対し、2506万1631円及びこれに対する死亡時から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払えというものであります。

 なお、今後の対応につきましては、平成10年12月15日が控訴期限でありますので、顧問弁護士等と判決の内容を検討協議しまして、決めたいと考えておりますので、以上で報告を終わります。

……………………………………………

議長(瀬山孝一君) お聞きのとおりであります。

 質疑はありませんか。

[「議長」と呼ぶ者あり]

議長(瀬山孝一君) 山本和宏君。

[山本和宏君登壇]

山本和宏君 ただいま報告があった件について質問をいたしますが、先立ちまして、この医療センターにおいて手術を受けて亡くなられた方に心からお悔やみを申し上げるとともに、残された遺族の方々に対しても心から哀悼の意を表したいと思います。

 非常に短い期間でこれをざっと読ましていただきました。それは、判決文ですが、しかしこれは私自身が医療問題では素人でございますので、十分理解できたというふうには言えないわけでありますけれども、しかし何点かについてちょっと疑問を感じた、そういう点がございますので、お伺いをしておきたいと思います。

 今回の事例は要するに胆石の、端的に言えば胆石での手術で入院して開腹手術という手段もあるわけですが、そうではなくて、PTCD、これはまあ何の略かわかりませんけれども、経皮経肝的胆管ドレナージとかいうふうに書かれておりますが、こういう手法によって胆石を除く治療を行った。で、これによって肝動脈を損傷する、そういう危険は極めて少ないけれども、危険性があるんだということは、医療行為者は十分認識をしていたと思うんです。で、そういうことに対して、ではどのようなそれを避ける最大の努力をしたのか。そこんとこがひとつ問われるんではないかと思うんです。

 判決文を読んでおりますと、この医師はこれまで同じような医療行為を200回、300回とやって、それで針を刺すことについては300回、それからドレナージのチューブについては200回これまでやったけれども、このような損傷はなかったということが書かれているわけでありますけれども、それでも201回目に、301回目にこういうミスがあるわけでありますから、いかに確率が少ないとは言え、これを避けていく努力というのは、必要な行為ではなかったかと思うんです。その点について、どのような努力をなさったのか、その点のまたそういうおそれがある医療行為でありますから、その術後は慎重に見守らなければならないのに、その止血が発見されても、それ以後おふろに入れたり、体を起こすことをやったりして、おふろにまで入るというようなことをやったわけですけれども、こういったことがもしおそれがあるんであれば、心当たりについて、十分な配慮が行われるべきではなかったのか、もっと慎重に術後の経過も見、またそれに対する対応をすべきではなかったのかというふうに疑問を感じるわけであります。その点について、ご答弁をいただきたいと思うんです。

 それから、もう1つ私非常に疑問に思うのは、こういったことをそういう医療行為を受ける患者自身が、こういう危険性もあるんだ、万が一かもしれない、万々が一かもしれないけれどもそういう危険もあるんだ。そして、もう1つのやり方としては、お腹を切って治療する、手術するそういう方法もあるんだということを知らされているべきではないか、これは率直に思うんです。もし、これは遺族の方が原告として訴えているこの患者に知らせなかったことに対する損害賠償は、これは判決では認められていませんけれども、しかし私はこれは本人及び家族には少なくともそういう危険がある手術だということを知らした上でやるべきではなかったか、本人の同意も得た上でやるべきではなかったというふうに思います。その点について、どのようにお感じになっているのか、伺いたいと思います。

 それから、3点目は、これは一般的な問題ですけれども、医療過誤というのは、非常に難しい問題で、人間のやることですから、確率は少なくてもあり得ることですね。これ、今回の事件に限らず。そういったときに、医療センターではそういった問題を避けるのに、どのような対応をしてきているのか。これは、医療行為を行う前だけではなくて、その行為を行った後の体制も含めてですね、どのような体制なり、何て言いますか配慮をしているのか。こういう点について、まず伺っておきたいと思います。

[医療センター院長佐藤裕俊君登壇]

医療センター院長(佐藤裕俊君) 山本議員さんのご質問の順番とちょっと違いますけれども、お答えさせていただきます。

 まず、3番目のですね、医療事故防止対策について医療センターでは、まあどのような方法を講じているかということでございます。

 まずですね、一番最初に故人並びに遺族の方々に、心より哀悼の意を表させていただきます。

 医療センターも開院以来15年を経過して、議員の先生方のご指導を得て、全国的にも非常に注目されている医療を今展開しているところでございます。24時間体制の救急医療、それから病診の機能分担による2次、3次の高度医療は医療センターのこれ使命でございます。そして、今日の日進月歩の医学は医療技術の高度化、それから専門化、細分化をもたらして、また新しい医療サービスの提供を可能にしている一方で、新たなリスクを伴い、医療事故の発生の要因になることもこれも否定できません。また、医療知識の普及とか権利意識の高揚はより質の高い医療への要望を高めるとともに、医療の内容につき、患者・家族へ十分なインフォームド・コンセントを行う必要があるわけでございます。この適切な対応を行わないと、医療訴訟に直結しかねません。

 このため、医療センターにおきましては、院長を委員長といたします医療事故防止対策委員会を設置して医療事故の予防のために教育、研修計画、万一事故が発生した場合の処置・対応など、適切な判断助言ができる組織を整えております。新しく迎え入れた職員の教育や指導、責任を持って行い、研修においては、職員の医療事故防止に関する意識や知識を養ってまいりました。本年4月に私が院長に就任いたしましてからも、一層の事故防止を図るために、就任時の所信表明におきまして、医療事故の防止に努めるとともに、院内の管理会議、運営連絡会議におきましても同様の注意を喚起したところでございます。5月には、医療事故の専門家であり、医師でもあり、弁護士でもある先生をお招きして、職員に対して講演をしていただいたこともございます。今後とも医療事故を起こさないように、絶えずやっぱり注意を喚起してまいりたいと思っております。これが医療センターの主な概要でございます。

 それで、今山本議員のですね、1番目のご指摘でございますけれども、胆石は開腹をするのが常であるということでございますが、医療の進歩とともに開腹は(山本和宏君「常だとは言わないよ」と呼ぶ)、開腹は、まあこれは1つの手術の術式でございます。で、今はですね、内視鏡、腹腔鏡下で行う手術もかなりふえております。それから、PTCDというような言葉をお使いになりましたけれども、これはまた胆石の治療の一部でございまして、このPTCDを行う目的というのは、黄疸を発生していた患者さんに対して、減黄――すなわち黄疸を減らすと書きますね「減黄」――、減黄する目的で肝臓の中の胆管に挿入する手技でございます。それと同時に胆石であるかあるいはがんであるか、これを鑑別しなければやはり治療には差し支えるわけでございますので、このPTCDという方法をとったわけでございます。まあ、これに対して、今たとえ200に1つとか300に1つであってもやっぱ注意しなきゃいけないとご指摘がございましたが、そのとおりでございます。まあ、私どもといたしましては、この担当の医師はこの事件の前まで200数例やっておりましたけれども、1例の事故も起こしてございませんでしたので、まず安全な手技であるというように思って行ったわけでございます。

 それから、入浴体動の話が出てまいりましたが、これも入浴もPTCD挿入後5日たっておりますので、これもまあ通常の患者さんの行う日程で行っております。

 それから、万が一にも危険性があるということを、なぜ説明しなかったかというようなことでございますけれども、今議員ご指摘のとおり、万一起こるようないろいろな危険性というのを、合併症という言葉でもって呼ばせていただきますと、これはもうたくさんございます。万が一発生する危険性について、話せばかなりの合併症が患者さんのあるいは患者さんの家族に説明しなければなりません。

 例えばですね、例えばこれは皮膚から肝臓へ向けて管を挿入するわけでございますから、腹壁あるいは肝臓実質からの腔内への出血とか、それから血管、この場合もまた動脈、静脈、それから肝臓の中に流れ込む門脈などの損傷、それから肝臓から流れ出す胆汁による胆汁性の腹膜炎、それから腸を刺してしまう場合もございます。さらにですね、まあ痛みによってあるいは心臓の悪い方は心臓が停止するとか、それから造影剤によるショックとか、こういうようなことがたくさん合併症があるわけでございます。万が一に発生する合併症。こういうことを全部説明すると、やはりいたずらに患者さんの不安をあおり立てるというおそれがございますので、当時としては、全部は今から8年前でございますから、全部は説明されなかったんでないかな、こういうふうに思っております。

 以上でございます。(「佐藤さん自分でやりゃいいんだよ、人にやらせないで」「手挙げるのかよ」と呼ぶ者あり)

[山本和宏君登壇。「佐藤さん自分でやった方がいいんじゃねえの」「真打ちは別なときにやるの」「山本さんは前座かい」「出ていっていいんなら出ていっちゃうよ、次から次へと。出てっていいの」「出てけ」「次から次へとやるよ、そんなこと言ってると」と呼ぶ者あり]

山本和宏君 院長からの説明がございました。

 医療過誤回避のための対策委員会なども設けてやっている、それは徹底するようにしているというそういうお話はございましたけれども、しかし実際この件で見てみますと、具体的にどういうことをやってきたのか。とりわけ、こういう危険性がある合併症と言われるものが出る、そういうおそれのある手術というか、術後にですね、それにふさわしい対応をしていなかったんではないか、というこれは判決でもそういうふうに認められているわけであります。

 で、この危険性ということについて言うならば、こういうふうに言ってるんですね。「肝動脈は肝内胆管と併走している上に、血流速度の遅い肝静脈や門脈と違って超音波造影で同定することができない、超音波のもとでも十分見れないというところがあって、PTCやPTCDにおいて針が刺さったり、それからチューブの挿入などの際に偶発的に肝動脈を損傷して胆道出血などの合併症を起こす危険があることは認められるところだ」、こういうふうに言っているんです。しかし、その判決では、医師自身十分に今までこういうことが1回もなかった、それから技術も進歩している、それからまた今説明がありましたけれども、患者にいたずらに不安をさせることも避けるということをあわせてですね、これは判決でもこの訴えは退けているわけでありますけれども、私は少なくともですね、そんなに細かくね、患者の不安をかき立てるほどのすべてを言う必要はないけれども、万が一の危険はあるもんだ、そういう医療行為なんだということをですね、少なくとも(「それは本人の判断……」と呼ぶ者あり)説明してですね、それで家族にも説明をしてやるべき医療行為ではないのかというふうに思っているもんですから、そういう点を指摘しておきたいと思うんです。

 今後のことについて言いますと、これは先ほど市長の方から、今後の経緯を、よく判決文を検討して、15日までにどうするかというのを決定する、弁護士とも相談してという話ですが、これを争うことの是非の問題ですね、これについて、どのように院長お考えになっているのか、ご家族の思いも(「院長関係ないよ」「それは言えないよ」と呼ぶ者あり)考えれば、これを争うことの是非について果たしてお医者さんの側からどのように考えておられるのか、それをお聞きしておきたいと思います。

 それからもう1つ、保険の問題ですね。病院として、市がこれを払うことになるんでしょうが、この判決が決定すれば。保険等の補てんはあるのかどうか、その点にちょっと追加してお答えをいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

[医療センター事務局長菅谷和夫君登壇]

医療センター事務局長(菅谷和夫君) 院長にということでございますが、訴訟そのものにつきましては市として対応いたしておりますんで、私の方からお答えさせていただきます。

 まず、今後の対応ということでございますが、先ほど市長から報告がございましたように、顧問弁護士の方々等と現在協議いたしているところでございます。まだ15日までのいわゆる控訴期限まで若干時間ございますので、私どもといたしましては、まあ判決文ごらんになっていただいたと思いますが、市側の主張が全面的に認められていないという部分もございますので、慎重に対処してまいりたいというふうに考えております。

 それから、保険の関係でございますが、私どもといたしましては、全国自治体病院協議会の方の保険に加入いたしておりますので、その中でてん補されることになっております。

 以上でございます。

[山本和宏君登壇。「脳外科もあるって教えてやれよ」と呼ぶ者あり]

山本和宏君 最後に、これは今度の問題は、大変深刻な問題ですし、医療センターとしても厳粛に受けとめて、今後このような事故が発生しないように、対策をぜひとも医療センター内で、検討していただきたいと思うんです。

 大体、本件だけじゃないんです。お聞きしますと、もう既に2件ばかりまだほかに裁判で争ってる、医療ミスということで、争っている件数があるわけで、全国に誇れる医療センターというお話もありましたけれども、しかし医療ミスというのがこれで多い方かどうかっていうことは私もわかりませんけれども、しかし現実にこういう問題が起こっているということに対しては、本当に襟を正して頑張ってもらいたい、そのことを要望しておきまして、終わりにいたします。(「はいご苦労さん、ご苦労さん」と呼ぶ者あり)

……………………………………………

議長(瀬山孝一君) 他に質疑ありませんか。

[「質疑なし」と呼ぶ者あり]

議長(瀬山孝一君) 以上で、行政報告を終わります。

――――――――――――――――――――

議長(瀬山孝一君) 日程第3、会議録署名議員の指名を行います。

 会議録署名議員に、上林謙二郎君及び稲葉澄子君を指名します。

――――――――――――――――――――

議長(瀬山孝一君) 以上で、本日の日程は全部終わりました。

――――――――――――――――――――

議長(瀬山孝一君) 次の会議は、あす9日午後1時から開きます。

 本日はこれで散会します。

午後6時45分散会

――――――――――――――――――――

[出席者]

◇出席議員(51人)
議長 瀬 山 孝 一 君
副議長 村 田 一 郎 君
議員 金 沢 和 子 君
津 賀 幸 子 君
岩 井 友 子 君
斎 藤   忠 君
清 水 美智子 君
七 戸 俊 治 君
西 尾 憲 一 君
門 田 正 則 君
石 原 輝 久 君
長谷川   大 君
堤   康治郎 君
石 井   保 君
浦 田 秀 夫 君
関 根 和 子 君
石 川 敏 宏 君
上 林 謙二郎 君
山 崎 とよ子 君
田 口   賢 君
林   利 宏 君
古 閑 雅 之 君
高 橋   高 君
安 藤 信 宏 君
矢 野 光 正 君
森 田 則 男 君
早 川 文 雄 君
池 沢 敏 夫 君
中 江 昌 夫 君
佐 藤 重 雄 君
芳 賀 達 朗 君
佐々木 照 彦 君
田久保 好 晴 君
興 松   勲 君
稲 葉 澄 子 君
小 石   洋 君
熊 谷   稔 君
中 村   洋 君
千 葉   満 君
木 村 久 子 君
山 本 和 宏 君
倍 田 賢 司 君
村 岡 晴 彦 君
櫛 田 信 明 君
米 井 昌 夫 君
田 中 恒 春 君
小仲井 富 次 君
大 沢   久 君
田久保 捷 三 君
和 田 善 行 君
滝 口 四 郎 君
……………………………………………
◇説明のため出席した者
市長 藤 代 孝 七 君
助役 生 嶋 文 昭 君
助役 石 井 清 夫 君
収入役 人 見 敬一郎 君
固定資産評価員税務部長 関     清 君
福祉局長 関 根 忠 男 君
市長公室長 西 山 裕 康 君
企画部長 吉 岡 忠 夫 君
総務部長 川名部 正 一 君
財政部長 織 戸 雅 夫 君
市民生活部長 花 沢 敏 之 君
保健福祉部長 大 鹿 一 之 君
福祉サービス部長 海老根 幸 男 君
医療センター院長 佐 藤 裕 俊 君
医療センター事務局長 菅 谷 和 夫 君
環境部長 鈴 木 淑 弘 君
経済部長 松 永 修 巳 君
中央卸売市場長 大 橋 和 雄 君
都市計画部長 押 尾 文 雄 君
都市整備部長 鳥 居 範 世 君
道路部長 涌 井   稔 君
下水道部長 野 村 武 明 君
建築部長 猪 野 幸 夫 君
消防局長 矢 代 亮 一 君
財政課長 金 子 正 雄 君
教育長 白 井 義 章 君
教育次長 古 江 隆 志 君
管理部長 阿久澤 敏 雄 君
学校教育部長 皆 川 征 夫 君
生涯学習部長 小 川 博 仁 君
選挙管理委員会
選挙管理委員会事務局長 鈴 木   智 君
農業委員会
農業委員会 森 田 英 雄 君
代表監査委員 首 藤   宏 君
監査委員
監査委員事務局長 中 村   忠 君
……………………………………………
◇議会事務局出席職員
事務局長 堀内清彦
参事・庶務課長事務取扱 金 杉 輝 雄
議事課長 中 村 義 行
議事課長補佐・議事第2係長事務取扱 幸 田 郁 夫
議事課副主幹 素 保 憲 生
議事課主査・議事第1係長事務取扱 寺 村 登志子
庶務課長補佐 木 村 良 昭
副主査 岡   和 彦
主任主事 泉     肇
主事 我伊野 真 理
主事 伊藤健一
――――――――――――――――――――
地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。
船橋市議会議長 瀬 山 孝 一
船橋市議会副議長 村 田 一 郎
船橋市議会議員 上 林 謙二郎
船橋市議会議員 稲 葉 澄 子

 前のページへ

 平成10年第4回船橋市議会定例会会議録・目次へ


お問い合わせ